これからの公益法人・一般法人に必要なこと
平成20年12月に始まった新公益法人制度に基づく移行申請作業のため苦労された法人も多かったと思います。しかし、公益法人・一般法人どちらに移行した法人も、認定・認可で終わりではなく、今度は新しい制度に対応していく必要があります。下表を見てください。
まず公益法人・一般法人のどちらも、一般法人法の詳細な規定に準拠した法人運営を行う必要があるため、例えば理事会・評議員会に委任状や代理出席が認められないことはもちろん、監事監査の期限や監査報告書の内容、決算承認に係る理事会を定時総会または定時評議員会の原則2週間前までに開催する必要があるなど、こと細かい規定を守る必要があります。
次に、内閣府(行政庁)へ提出する定期提出書類の作成があります。申請時に記載した目的・事業の一部が廃止・変容したり、新たな事業を追加するなどの場合は内閣府への(時には事前の)手続きが必要ですが、その判断は実際上迷う場面があると思います。また、収支相償・遊休財産(公益)や公益目的支出計画の実施の状況(一般)など申請時は予算ベース=ある程度調整可能だった各表も今後は実績の数字を記載するため悩むこともあるでしょう。
さらに公益目的財産残額の算定表(公益 H表)や変更認定申請(公益)公益目的支出計画変更認可申請(一般)など、これまでなかった書類への対応も求められます。
そして公益法人では上記の点を含め、内閣府は事業の適正な運営がなされているか運営実態を確認するため、3年以内に1回立ち入り検査を行うことになっています。
これからの公益法人・一般法人には、申請時と同様の制度対応が求められます。
当事務所の取り組み
当事務所は、昭和49年、当時所長であった近藤会計士が公益法人の設立・運営に携わって以来、約40年一貫して公益法人の指導業務に取り組んできました。現在、関与している公益法人・一般法人など非営利法人は約100法人で地域も日本全国に及んでいます。公益法人・一般法人では先に述べた制度改革をはじめ、株式会社には見られない様々な課題を抱えています。当事務所では、会計や税務はもちろん、設立・運営から合併・解散に至るまで、法人の皆さんと問題に向き合うことにより、多くの知識を事務所メンバー全員に蓄積することができました。今後も、公益法人・一般法人の皆さんと一緒に、いろいろな問題を解決していきたいと思います。
公益法人・一般法人向けサービス
1) 設立
平成20年の一般法人法施行により、誰でも簡単に非営利法人を創ることが可能になりました。一般社団・財団法人では原則として行う事業も自由であるのに加えて、かつての中間法人と異なり、法人税が原則非課税(収益事業のみ課税)となるなど税務メリットが受けられます。これにより人格のない社団(任意団体)の法人化が進むことも期待されています。
次に、一般社団・財団法人は内閣府(行政庁)の認定を受けることにより、公益社団・財団法人に移行することができます。公益を目指し新たに創る一般法人の場合では、設立後1年以内に公益法人に移行するケースが多くなっています。公益法人になれば、税務上もさらに有利になります。
当事務所では、これまでの経験を活かし、一般法人の設立や公益法人への移行に関して最適なアドバイスができると考えています。
2) 会計・税務顧問
非営利型一般法人は原則非課税となりましたが、今後は今まで以上に、収益事業と非収益事業の収入や経費の区分の判断に迷うことが多くなることが予想されます。平成20年公益法人会計基準と税法が必ずしも整合しないからです。 また公益法人は収益事業の利益の50%ジャストを公益目的事業に繰入れなければならず、または50%を超えて繰入れることで税負担を減らすことも出来ますが、過去に例のない処理でもあり実際の判断は容易ではないでしょう。当事務所では、様々な事例に携わった経験を活かし、一般法人及び公益法人の会計指導や節税を含めた税務アドバイスを行うことができます。
3) 内閣府(行政庁)への対応
公益法人では毎年決算期末から3ヵ月以内に内閣府(行政庁)に定期提出書類を提出します。また、一般法人も移行法人である間は3ヵ月以内に定期提出書類(公益目的支出計画実施報告書)の提出が求められます。
これらの書類は決算書作成時にあわせて行うことが望まれます。当事務所では、これらの書類の作成のお手伝いをすることはもちろん、公益法人で原則3年に一度行われる内閣府(行政庁)による立入検査を見据えた書類の作成を指導しています。